つぐうみ
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画家を目指して勉強中
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2023年1月からブログを開設。

普段は福祉現場でこども達にアートを教えています。
他にも副業でアートに関する様々な仕事をしつつ、作品の制作・研究・発表をしています。

好きな制作は
水彩画/アクリル画/油絵/ガラス工芸/木工/etc...

制作に関心がある方の「気になる」「やってみたい」「もっと知りたい」の手助けになるような情報の発信を目指します!
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100均の材料だけで水彩パレットを自作しよう【実験】

つぐうみ

今回は記事の題にもある通り、100均で買える材料のみを使って水彩のパレットを自作していきます。

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100均のネコ型のシリコンモールドを見て「絵具を入れるところがネコ型の水彩パレット、可愛いのでは?」と思い至って制作しました!

以前こちらの記事で紹介した水彩パレットの自作方法の応用編です。

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応用編のパレット作りで行う作業

  • シリコン型を本来の使用方法と異なる使い方で用いたレジン取り
  • レジンをヤスリ(ルーター)で研磨
  • プラ板で箱を作る

自作水彩パレット作り方・材料

作りたいパレットのイメージ

こんなパレットが欲しい!

  • 3原色部分がネコの形
  • 蓋が混色部分になる
  • 横長一体パレット

採用 シリコン型で作ったレジンカップでパレットのへこみ部分を作る

形状が決まったので、次は作り方を決めていきます。

今回はネコ型のカップをレジンで作り、外側をレジンで埋める方法を採用しました。

不採用 グルーガンで原型を作ると厚みの確保が大変

このパレットを作ろうと思い至ったDAISOの型がこちら。

一番はじめに思いついた制作方法はこんな感じでした。

しかし実際にやってみると…

以上の問題点から、グルーガンで作った原型をレジン取りする方法は断念しました。

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アイロンやカッターを駆使すれば少しはきれいになったけど、それでも精度は低めでした…

パレットにする容器を選ぼう

パレットの内装はレジンで自作しますが、外側の容器部分は市販のものをアレンジして使用します。

自作パレットの容器はこうやって選ぼう!

  • 見開きでフタが開くタイプがおすすめ。フタ部分が混色スペースになる
  • 実際に使う状況を想定してサイズを選ぼう。コンパクト重視するなら小さいものが◎
  • 今回はレジンで作るので、プラスチック容器が◎
  • ケースの厚みを要チェック!深さがあるとレジンをたくさん使う上に重くて使いにくくなってしまう
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DAISOのSDカードケースが薄くておすすめ!

100均で手に入る中でおすすめNo.1の容器は、DAISOで買えるこちらのSDカードケースです。

中の部品を取り外せるため、めちゃくちゃ薄くて使い勝手の良い容器に早変わりします。

パレット容器を補強しよう

少し蝶番部分と爪の部分の強度が低い気がするので、念のため補強して使うと少し割れ防止になりそうです。

【実験①】シリコン型でレジンカップづくり

作る前にシミュレーションをしよう

はじめからレジンで作ってみて失敗すると、コスパがかかってしまうため、ここではグルーガンを使ってシミュレーションを行いました。

使用したモールドはこちら

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このシェイカーねこのモールドでパレットの容器を作りたい!

グルーガンで原型を作ってシミュレーションしよう

イメージを元に実際に成功できるかを、グルーガンを使って試作してみました。

グルーガンは少し精度が低いですがレジンよりもコスパが良いです。

その原型を元にシミュレーションすることで、万一の失敗に備えることができます。

シリコン型にレジンの代わりにグルーガンを流し込んで、実際に容器に入れてみました。

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枠に厚みがありすぎてパレット容器に3個並ばない…

シリコン型を改造しよう

市販のシリコン型では厚みも横幅もあり、ネコの容器を作る方法では難しそうだったので、制作方法を以下のように変更しました。

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この作り方でレジンのカップを作るのが1番薄く作れるはず!

用いるシリコン型は、枠が厚くてボツになったシリコン型をハサミで加工して使いまわします。

レジンで好きな形のカップを作ろう

シリコン型を加工したら、早速レジンでカップを作ってみましょう!

  1. レジンを小さいトレーに入れる
  2. シリコン型をレジンに浸す
  3. レジンを素早く硬化
  4. 必要に応じてレジンで補強し再硬化

手順のイメージはこんな感じです。硬化以外の工程はUVライトや日光の当たらない場所で行います。

① レジンを小さいトレーに入れる

大きい容器に入れるとシリコン型が漬からない可能性があるので、シリコン型よりギリギリ大きいくらいがGood。

今回は金属の容器を使って、最後にティッシュで拭いて硬化しています。レジンがつくので使い捨て容器が安牌です。

② シリコン型をレジンに浸す

カップにどれくらいの高さが必要か確認し、必要分の高さが出るようレジンにつけましょう。

③ レジンを素早く硬化

硬化をする際は、①のトレーにUVが当たらないよう注意をしましょう。

④ 必要に応じてレジンで補強し再硬化

シリコン型が意外にもレジンを弾くため、レジンが垂れたり穴が空いたりといった不足の事態がありました。

再度レジンを足して硬化をしていきます。

完成したカップがこちら!

⑤ 底面の形状修正

ケースに入れて高さをチェックしてみました。

レジンカップのレジンに凹凸があり、高低差ができてしまっているため、研磨で整えていきます。

ヤスリをテーブルに固定し、底面を平らにしていきます。

ついでに側面の凹凸も削ります。

研磨して光沢がなくなると補修が必要な箇所がより良く見えますので、レジンで補修します。

研磨後表面

裏面

【実験②】プラ板でレジン型を作ろう

私が自作する水彩パレットでは、必ず混色用の絵の具を別で設けています。

筆で溶かすとランダムに3原色が混ざった色を作ることができます。

混色用の絵の具を設けることで、複雑な色が簡単に作れるため、単色のみのパレットよりも少ない色数で手早く複雑な塗りができるメリットがあります。

今回は狙った混色が作りやすいよう、横長の混色用絵の具のスペースを設けたいと思います。

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思い通りのシリコン型や原型に使えそうなものがなかったので、プラ板で自作をしていきます!

こんな手順で作りました

  1. プラ版に箱の展開図を切り出す
  2. 組み立ててレジンで接着

① プラ版に箱の展開図を描く

折る箇所は軽くカッターで溝をつけると、直線できれいに折ることができます。

② 組み立ててレジンで接着

レジンの凹凸が外側に残るように、外側から接着しました。

【実験③】プラ容器にレジンを注いでカップを埋めこもう

レジンで好きな形のカップを作ろう

シリコン型を加工したら、早速レジンでカップを作ってみましょう!

  1. パレット容器にカップを並べて位置を決める
  2. カップを固定したい箇所にレジンを垂らす
  3. カップを押し付けて硬化
  4. 残りの溝にレジンを注いで硬化

手順のイメージはこんな感じです。

① パレット容器にカップを並べて位置を決める

実際の配置を決めていきます。

なるべく隙間を少なくすると、この後のレジンの使用量が減るため安価で軽量な完成になります。

一度ふたが閉まるか確認し、閉まらない場合はこの後のレジンを注ぐ段階で調整していきます。

② カップを固定したい箇所にレジンを垂らす

レジンを使ってカップを固定します。少し多めに出しておいて大丈夫です。

③ カップを押し付けて硬化

理科のプレパラートの要領で、カップをレジンに押し付けて空気や余分なレジンを外に追い出します。

位置もばっちりのタイミングでレジンを硬化していきましょう。

研磨が甘かったり、この段階での押し付けが弱いとカップが浮いてしまいます。

④ 残りの溝にレジンを注いで硬化

絵の具を入れない箇所にレジンを注いでいきます。なるべく均等な高さになるよう注いでいきましょう。

フタが閉まらなくならないよう高さにご注意ください。

レジンを平らに研磨しよう

選んだ容器が柔らかかったため、完成したレジンの板をきれいに取り外すことができました。

せっかくなので、レジン板の上部を平らに研磨していきます。

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必須内容ではないので、無理に取り外さなくてOK

  1. 大きい凹凸をリューターで削る
  2. テーブルに紙やすりを固定する
  3. レジン板をヤスリの上でくるくるする
  4. 削った箇所にレジンを塗って光沢を出す

① 大きい凹凸をリューターで削る

リューターを使わなくても、ヤスリで削れます。カップの縁が飛び出ている場合はここで削り切ります。

② テーブルに紙やすりを固定する

テープでヤスリを固定しておくと、ヤスリがけの際にずれなくて便利です。

③ レジン板をヤスリの上でくるくるする

テーブルの水平を利用し、平らになるまで擦りましょう。

一箇所に体重をかけて擦るとその箇所が重点的に削れます。

④ 削った箇所にレジンを塗って光沢を出す

擦ってマットになってしまったレジンは、上からニスのようにレジンを塗り直すことで光沢を降り戻します。

削った後は粉っぽいので、水洗いしてからレジンで光沢を出しましょう。

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ケースから取り外せないけど段差を整えたい場合は①→④の工程で多少は整えられます。

研磨前と後でこれくらい平ら具合が変わります。

【番外編】完成したパレットに絵の具を詰めよう

お気に入りの3原色絵の具を完成したパレットに詰めていきます!

爪楊枝で形を整えながら絵の具を詰めていきます。

乾くと3分の2くらいにしぼむので、横から見てはみ出ているくらいたっぷり入れてOK。

絵の具が乾燥して縮むとヒビが入ることがあります。1回乾燥させきってから補充し直すときれいになります。

今回の自作水彩パレット実用の感想

完成品と制作費用

ようやく完成したパレットがこちらです!

制作費用

必ず使うもの

SDカードケース110円(DAISO)
レジン 330円(DAISO)
シリコン容器110円(Seria)
紙やすり110円(DAISO)

あると便利な100均で揃うもの

リューター770円(DAISO)
グルーガン330円(DAISO)
グルースティック110円(DAISO)

つぐうみ
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実際にお絵かきに使って見ました!

  • 大きい分たっぷり絵の具が入ってとても便利!
  • オンリーワンのパレットなので愛着たっぷり
  • 強度も現時点では問題なし。割れたりカバンの中で空いたりしない◎

最終的なおすすめの作り方

つぐうみ
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前回に比べると難易度がちょっと高かった!

自由度が上がる分、前回紹介した市販の容器を用いた方法よりも制作の難易度は高かったです。

理想に近いパレットや類似する容器が市販で見つかる場合は、冒頭にも紹介したこちらの記事を参考に作った方が簡単で良いものが作れそうです。

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しかし今回は苦労した甲斐もあって、自分の理想のパレットを作ることができました!

今使っているパレットで何回か絵を描いてみて、「もっとこんなパレットがあったら良いのに…」と思った際には、自作に挑戦して見るのも良いかもしれません。

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必要に応じてアレンジしてもGood!

画像ではスマホリングを背面に貼り付けてみています。

自分のニーズに合わせて作った世界に1つのパレットは、あなたの今後の制作の際にきっと役立ちます。

その際には是非一例として本記事をお役立てください。

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