コンパクトで便利な「3原色水彩パレット」を自作しよう!
記事の内容
- 絵の具を固める理由と方法
- 自作パレットの作り方
- 自作した水彩パレットの紹介
おおよそ全ての色は「色の3原色」が揃っていることで作ることができます。
今回提案する3原色水彩パレットは、コンパクトな上にどんな色でも作れる、とても便利なパレットです。
ポケットや筆入れにも入る水彩パレットを自作して、もっと身近に水彩を楽しもう!
なぜ絵の具を固めるの?
水彩絵の具は一度乾いても再度水分を含ませることにより、溶け出す性質があります。
これを利用し、事前に水彩絵の具を乾燥させて固めた状態で使えるようにしたものが固形絵の具です。
絵の具を乾燥させるメリット
- コンパクトに持ち運べるため、嵩張らない
- 乾燥させて持ち運べるため、汚れない
- 事前に補充されている状態のため、描く準備が少なくて済む
固形絵の具の作り方
既に乾いた状態で売られているものもありますが、チューブに入っている水彩絵具を容器に入れて乾燥させる方法でも固形絵具として使うことができます。
STEP1:使いたい絵の具を準備しよう!
それでは早速、パレットづくりをして行きましょう!
用意する色は何色でも構いませんが、私のおすすめは3原色の絵の具です。
色の3原色でパレットを作るメリット
- 3色(+白)しか色がないため、パレットのサイズがコンパクト
- 少ない色でほぼすべての色が作れる
- 必ず混色で色をつくるため、多彩な色で塗ることで絵に深みが出る
スケッチをする人や絵具を持ち歩きたい人におすすめ!
3原色の絵具を揃えよう
それでは使用する絵具のチューブを準備します。
3原色の絵具を買う場合は、各メーカーが「ウチの3原色はこれです!」と定義している場合もあります。
3原色の絵具の色名が「シアン」「マゼンタ」「イエロー」と書かれていることはかなり稀で、ほとんどの絵具は事前に公式メーカーに情報を確認をしないとどれが3原色か判断できません。
購入前にどの色が3原色かを確認をしてから買うと良いでしょう。
絵の具メーカーにお悩みの方はホルベインの透明水彩から始めてみるのはいかがでしょうか?
- どこの画材屋にもあるため入手しやすい
- 安価なのに発色がきれい
- メーカーが3原色に該当する色を公表している
3原色パレットは色が3つしかない分消費が早いため、少し大きめのチューブ絵の具を買っておくのがオススメです。
STEP2:容器を決める
容器を決めるときの基準はこちらです。
市販のおすすめ水彩パレット
- 王道で使いやすい
- 大容量で大型制作にも◎
- 十分な混色スペース
- 大きい&潰されると変形するので携帯には不向き
卓上◎ スケッチ△
- 色を簡単に組み替えられる
- 十分な混色スペース
- 少し重いが丈夫
- 大容量なのにコンパクト
- 裏面に持ち手があり、持ったまま書ける
卓上◯ スケッチ◯
- クリップ用の溝があり、画用紙に固定できる
- パレットが小さいので画用紙に固定しても邪魔にならない
- 絵具の容量は少なめ
卓上△ スケッチ◎
市販であればこの3つがおすすめですが、3原色パレットを作るには色を入れるスペースが多すぎるため、多色パレットに向いています。
次章では、これらをすべて解決する、私のオススメ容器を紹介します!
100均のアイシャドウパレットを使って絵の具パレットを作ろう!
市販の水彩パレットは、多くの色が入れられるよう設計されているものが多いため、今回の3原色パレットを作る際には使わないスペースが発生してしまいます。
そこでオススメするのがアイシャドウのパレット!
アイシャドウパレットのメリット
- 形状が適しており、色数のバリエーションが豊富
- 持ち歩いて使うことも想定されているため、軽くて丈夫
- フタ部分を混色スペースとして使える
100円ショップは季節が変わると商品も切り替わりますので、1度売りきれた商品が入荷しないこともしばしば…こまめにチェックしてみましょう!
今回選んだパレット
中身は削って取り出すことも可能です。クリームタイプの油分が含まれている化粧品の場合は、ある程度中身を取り除いてから洗剤をつけて洗うことできれいになります。
中身を使いきるか取り除いて空の容器を用意しましょう。
また、容器を加工することでパレットづくりの幅はさらに広がります。
後ほど応用編としてご紹介しますので是非ご一読ください!
STEP3:色の配置を決めよう
容器を決めたら、どこに何色を詰めるか計画を立てましょう。
事前に計画を立てることで、色を詰める際に色数が多い場合も間違わずに補充できます。
作成した色計画がこちらです
オススメ!「混色絵の具」
3原色パレットは混色を前提としたパレットです。
2色の混色では色がビビットカラー(高彩度)になりやすいため、色をつくる際は3色すべてを使った混色が想定されます。
2色の混色例
また、混色の際は色のついた筆で別の色を触るため、パレットが汚れやすいです。
そこで事前に「3色の混色を前提とした絵具」を用意しておくことで、混色の効率化を図ることができます。
混色用絵の具で作れる色の例
右下の絵の具が混色用絵の具です。3原色がランダムに混色されるため、複雑な色を作ることができます。
STEP4:絵の具を詰める
準備が整ったら容器に絵具を詰めていきましょう!
こちらの道具を使って絵具の補充を行います。
チューブ絵の具を容器の中に入れ、乾かすことで固形絵の具のパレットを自作することができます。
詰めて乾燥させればパレットの完成です!
完全に乾燥する前に触ると絵の具が変形してしまうため、1週間ほど自然乾燥をさせましょう。
STEP1:計画を立てよう!
ひとつめのパレットを実際に使ってみて発見した「もっとこうしたら便利かも!」を反映させてパレットを改造していきます。
- 白い絵の具があると便利(他の色と混ざりにくくしたい)
- 混色用絵の具はもっと大きい方が便利
- パレットを押さえるための指を置く場所がほしい
加工の計画はこんなかんじ!
トピック 絵の具に白は必要?
紙を白のまま残すことができれば、白い絵の具を使わなくても紙の白を生かした水彩作品を作ることができます。
しかし細かい白が入った絵にしたい場合や紙の白が活かせない場合、白い絵の具があると便利です。
白い絵の具は便利な一方で、他の色と混ざってしまった際に他の色を濁らせるリスクがあります。
不要な混色を防ぐために、白い絵の具のみチューブのまま持っていく方法でも良いかもしれません。
白の扱いは人によって様々です。是非いろいろ描いて検討してみてください。
STEP2:容器を加工しよう①研磨
プラスチックの容器はカッターやリューターなどで削ることができます。
大まかにカッターで削ってからリューターで仕上げるのがオススメです。
STEP3:容器を加工しよう ②レジンで補充
パレットを使う時は左手で紙と一緒に持って固定して使います。
加工なしのパレットでは指を置く場所がないため、アイシャドウ容器のふたの混色スペースを押さえて描いていました。
レジンを注いで容器をさらに加工しよう!
「アイシャドウの容器が欲しいけど、中身を捨てるのはもったいない!」
そんな時はアイシャドウで絵を描いてみませんか?
パウダータイプのアイシャドウで絵を描いてみたところ、パステルと同じ使用方法で絵を描くことができました。
アイシャドウお絵かきの特徴をチェック
- 消しゴムで消せる
- 水では溶けない
- 油で溶ける
- 筆よりも化粧に用いるチップのほうがきれいに発色する
- フィキサチーフで紙に定着する
中身を活用して一緒にお絵かきにチャレンジしてみよう!