色弱がある人への色彩学習を模索する①授業の構想


今度仕事で色弱がある生徒に色彩の授業をすることになりました!
その生徒の今後の制作に役立ててもらえる授業になるよう、自己流で色弱についての理解を深めていきます。
色弱の世界との出会い
自分と見え方がちがう世界
現在、私がお仕事で絵を教えている生徒の中に色弱のある方がいます。
私はそれまで生活の中で色弱がある人の見え方に配慮しながら接する機会がなかったため、手探りで授業を展開していきながら色弱というものへの関心を深めていく必要がありました。
今までは自分の見え方が皆に共通して通じる「普通」だったので、色弱がある人の見え方を理解して、その生徒基準の「普通」の中で絵を教えるというのは新鮮な経験でした。
そんな出会いの中で、私の仕事は色弱がある生徒もない生徒もいる中で絵に関するの様々な基礎を教えることでした。
例えばデッサン、配色、イラストなどなど…
はじめは「え…難しくない?」というのが本音でした。
だってそれまでは、色弱という概念は私にとって「自分と色の感覚が違う人もいるんだなぁ」くらいの認識だったのです。

でも実際に勉強を始めてみたら意外と楽しい…!
最初こそ「これは素人が自己解釈で授業を展開して大丈夫なのか…?」と不安な気持ちでしたが、勉強を始めると未知の色の世界が楽しくて仕方なかったです。
この記事はそんな感じで私が手探り状態で色弱を理解し、絵の授業を通して一緒に楽しんで制作ができるようになるまでの体験記になります。
個性を強みに
私にとって、制作をするうえで色は大切な表現の要素です。
色で絵の世界観や感情、メッセージが伝わるといった伝達機能面で役に立つ
「色弱があるのに色の授業をするの?」と思われる方もいると思いますが(実際に授業をしている間もいろんな人にめっちゃ言われました)、絵を描いたりものを作るのが好きな人にとって『色』はその人の個性を出せる1つの武器なわけです。
「多数の人はこの色の組み合わせを選ぶけど、私の感覚ではこの組み合わせが良い」みたいな、他との違いはアートにおいては他との差を作る強み、つまりアイデンティティになりえます。
「色が十分に見えない」のではなく、「持っていない人が多い感覚で色が見えている」だと私は思っているので、本人が理解して自分の作品に使えたらこれはもう、後天的には得るのが困難なその人らしさになり得るのです。
…というのはあくまで私の理想像なので、上手くいくかは分かりませんが…。
それでも、クイズであれば「太陽を黄緑と答えるのは間違い」ですが、絵の世界では「黄緑の太陽も全然アリ!」なのです。
個性や自分らしさは後からついてきます。
まずは「自分は色の区別があんまりつかないから…」と思って失っている自信を取り戻し、色で表現することへの抵抗感をなくして、色弱があっても自信を持って色を使えるようになることを目標にしていきたいと思います。
折角の個性を使わないのはもったいない…!まして制作が好きな人であれば、色を自信を持って使えないなんて…と内心で奮闘していますので、少しでも良い成果につながるよう勉強をしていこと思っている次第です。
こんな授業をしたい計画
今回の私のミッションは「色彩の授業をすること」です。
そこまで人数の多い授業ではないため、色弱がある生徒だけ個別対応…というのもできなくはないのですが、それをすると「自分だけ見え方が違うから同じ授業が受けられない…」とマイナスに捉えてしまうんじゃないかということを懸念して、色弱の有無に関係なく同じ授業で色彩を学んでもらうことを目標に掲げました。(実際には100%同じというわけにはいかず、見え方に合わせて違うプリント用いるなど、こっそり提供内容は変えていました)
- 色の仕組み(色の3要素)
- 色のもつ効果や印象
- 配色
次回は色彩の授業を組み立てる前準備として、色弱への解像度を上げていきたいと思います。
色の世界が見えるアプリの紹介
私が色の勉強で愛用しているアプリを紹介させてください!

理屈を学ぶよりも実際にカメラを通して「こう見えるの!?」を体験していくと、少しずつ1型2色覚の色の世界が理解できるようになってきました。
主な使い方
- 授業の資料を作るときに色の差分が伝わるか
- ペンや絵の具など色を使うとき
- 色弱がある生徒の絵を見るとき、絵を見てもらうとき
次回の記事でもたくさんお世話になる超便利アプリです。